炎のそばにある静けさ──消防団で学んだ「倫理」と「人の心の温度」 - みなみ紙工オフィシャルサイト  

炎のそばにある静けさ──消防団で学んだ「倫理」と「人の心の温度」

先日、小学校の社会科学学習の一環として消防団についての授業にいきました。

火を消すのは水だけじゃない。人の「心」もまた、火を鎮める力を持っています。消防団の活動を通して学んだ“倫理”の実践と、人とのつながりの中で生まれる静かな強さ。近江八幡のまちを守る現場から見えた「心を整える生き方」を描きながら、倫理法人会モーニングセミナーの魅力を静かに語ります。


子どもたちのまなざしに映った「炎の意味」──学びの原点は、いつも現場にある

当日、ポンプに繋がれたホースの先から勢いよく水が放たれた瞬間。
目の前の小学生たちが「わぁ!」と声を上げた。
その瞳の奥には、ただの水ではなく、“使命の光”のようなものが映っていたように見えた。

わたしが所属する近江八幡市消防団。
年に1回程度、地域の小学校や幼稚園・保育園で「消防団の仕事」を伝える授業をする。
今回もクイズ形式で盛り上がった。
「火事のとき、一番大切なことは何でしょう?」
ある子が手を挙げてこう言った。
「人を助けること!」
その瞬間、胸の奥がふっと熱くなった。

――ああ、そうだ。
わたしたちは、ただ火を消しているんじゃない。
“命の灯”を守るために動いているんだ。

その気づきは、いつも子どもたちのまっすぐな言葉からやってくる。
そして不思議なことに、そんな純粋なまなざしと向き合うと、
自分の中の倫理――つまり「どう生きたいか」「何を守りたいか」が、
静かに問い直される。

火を消すだけの活動に見えて、実は“心を整える稽古場”でもある。
消防団は、そんな不思議な場所だ。


「火を消す人」ではなく「心を燃やす人」──倫理の実践が現場に宿る

火災現場に立つと、心の中まで燃えるような緊張感が走る。
炎の音、焦げた匂い、冷たい夜気。
その中で、誰かの叫びが遠くから聞こえる。

あの瞬間ほど、自分の「倫理観」が試される場はないと思う。

誰かがパニックに陥れば、冷静さが求められる。
指示が錯綜すれば、謙虚に耳を傾ける必要がある。
小さな判断ミスが、命を左右する。

倫理の言葉で言えば――
「純粋」「明朗」「喜働」「愛和」。
どれも現場でそのまま通じる。

“純粋”とは、誰かのために動くときに濁らない心を持つこと。
“明朗”とは、暗闇の中でも笑顔を忘れないこと。
“喜働”とは、働くことを喜びとすること。

“愛和”とは、互いに助け合うこと。

この三つが欠けると、
放水ホースは水を出していても、心の火は鎮まらない。

倫理法人会で学ぶ「心を磨く実践」は、
消防団の活動そのものと重なっている。
違うのは“場所”だけで、目的は同じ――
「命をつなぐ」ことだ。

火を消すのではなく、人の心を燃やす人になる。
それが、わたしが倫理から受け取った新しい消防団の姿だ。


炎の前で問われる「わたしの在り方」──恐れと向き合う時間の尊さ

ある夜の出動。
火の手が思った以上に強く、
正直、足がすくんだ。

防火服の内側で汗が滝のように流れる。
「大丈夫」と声を出すたびに、震えが伝わる。

そのとき、先輩団員が静かに言った。
「南くん、怖いのは当然や。でも“怖さ”の先に、人の心があるんや。」

その言葉が不思議と胸に沁みた。

わたしはその瞬間、火を恐れていたんじゃない。
失うことを恐れていた。
自分が守ろうとしているもの――人の命、家族の笑顔、仲間の誇り。
その大切さを思うほど、体が震えていたのだ。

倫理で学ぶ「苦難は幸福の門」という言葉がある。
あの夜、その意味を初めて“体で”理解した気がする。
恐れの向こうに、感謝がある。
燃える現場の中で、それを見つけた瞬間、
心が不思議なほど穏やかになった。

――火のそばには、静けさがある。
その静けさこそ、人が人である証かもしれない。


モーニングセミナーは「心の消火訓練」──倫理を日常に生かす時間

消防団での経験を通して気づいたのは、
火災現場だけでなく、
人の心にも“火”があるということだ。

怒り、嫉妬、不安――
どんな人の胸にも、時折、燃え上がる火種がある。
それを放っておけば、やがて自分自身を焦がしてしまう。

倫理法人会のモーニングセミナーは、
そんな心の火を静かに鎮める“心の消火訓練”のような場所だ。

朝の静けさの中で、人の話に耳を傾ける。
「おはようございます」と挨拶を交わし、
小さな気づきを分かち合う。

それだけのことなのに、不思議と一日が整う。
心が明るく、軽く、そして温かくなる。

消防団で身につけた「現場力」と、
倫理で磨く「心の力」。
その二つが重なったとき、
地域は本当の意味で“安心”に包まれる。

>>>近江八幡市倫理法人会の詳細はコチラ


「自分たちのまちは、自分たちで守る」──地域を照らす火をつなぐ

消防団の活動はボランティアだ。
報酬も少なく、夜中の出動もある。
それでもなぜ続けるのか、と聞かれることがある。

答えは単純だ。
「このまちが好きだから。」

それだけで、人は動ける。
でもその“好き”を燃やし続けるには、
心の灯が必要だ。

倫理法人会の学びは、その灯を絶やさない。
それは理屈ではなく、
人と人が出会い、語り、笑い合う中で、
自然にともる“魂の火”のようなもの。

消防団が“地域の安全”を守るなら、
倫理法人会は“地域の心”を守っている。

火と心。
一見、相反するようでいて、
どちらも「熱」を扱う仕事だ。
どちらも、人を想うエネルギーで動いている。

そしてどちらも、
「命を守る」という一点で、静かに交わる。


明日を灯すために──わたしが今日も消防服を着る理由

出動要請のベルが鳴る。
夜明け前の空はまだ藍色で、
少しだけ冷たい風が頬を撫でる。

制服に袖を通すたび、背筋が伸びる。
それはまるで、モーニングセミナーで姿勢を正す瞬間と同じだ。

「今日も誰かのために動ける。」
そう思うと、心の中に静かな火が灯る。

倫理を学んでから、
“働く”こと、“奉仕する”ことの意味が変わった。
それは義務ではなく、祈りに近い。

火のそばで人を思い、
朝の光の中で自分を整える。

この二つを繰り返すうちに、
わたしはようやくわかった。

――強い人とは、優しく燃える人のことだ。


結び:炎の向こうにある静かな希望へ

火は、恐ろしくも美しい。
それは、人の心そのものだと思う。

燃やしすぎれば破壊し、
燃やさなければ冷えてしまう。

だからこそ、倫理を学びながら、
自分の心の温度を知ることが大切だ。

消防団の活動も、倫理の学びも、
どちらも「人を思う」という一点でつながっている。

今日も誰かのために動く。
その一歩が、まちを照らし、未来を照らす。

そして、その小さな灯が集まるとき――
世界は、きっと少しだけ明るくなる。

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